10/6ディアシュピール(後編)
10月6日ディアシュピールの報告の続きです。
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エルドラド
自分のデッキに様々なカードを加えてデッキを作り、そのカードを使ってエルドラドを目指す、デッキ構築レースゲーム。
2017年、ライナー・クニツィアの作品です。プレイ人数2人〜4人、公称プレイ時間30分〜60分です。
タイルを繋げてマップを作ります。各プレイヤーは自分のコマをスタートマスに置き、自分の初期デッキを持ちます。
時計回りの順に手番を行います。
手番になったら自分のデッキから4枚のカードを引き、そのカードを使ってコマを進めます。
森林(緑)、村(黄)、水(青)のマスは対応するカードを使って進みます。それ以外に、手札を捨てて進む荒地(灰色)のマス、手札をゲームから取り除いて進むベースキャンプ(赤)のマス、絶対に入れない山(黒)のマスがあります。
道中に何ヶ所かバリケードがありますが、それぞれ指定された条件を満たすことで取り除けます。取り除いたバリケードは取り除いたプレイヤーの手元に置きます。
その後、残ったカードを使って市場からカードを1枚まで買うことができます。お金マークのカードはカードに書かれた額として、それ以外のカードは2枚で1金として扱います。
市場の外にあるカードは、市場に空きがある時のみ買うことができ、以後そのカードが市場に入ります。
誰ががエルドラドにたどり着いたら、最終手番のプレイヤーまでプレイを行い、エルドラドにたどり着いたプレイヤーの中で最も多くのバリケードを取り除いたプレイヤーの勝利です。
今回は2人で遊びました。この場合は、各プレイヤーが2つのコマを持ち、両方のコマをゴールさせれば勝ちになります。
私の中でのクニツィアの印象は、競りや数字の扱いが上手い数学者デザイナーというものでした。しかし、この「エルドラド」はその先入観をいい意味で裏切ってくれました。新境地の開拓と言ってもいいでしょう。
「ドミニオン」に代表されるデッキ構築ゲームがカード種類を爆発的に増やすことで展開の多様性、リプレイ性を高めたのに対し、「エルドラド」ではレースゲームにすることによって展開の多様性、リプレイ性を確保しています。
「ドミニオン」から8年、クニツィアがデッキ構築ゲームに対して出した一つの答えとして意義深い作品と言えます。
ここまで理屈っぽく書いて来ましたが、単純に面白いゲームでした。お勧めです。
タギロン
質問を通して相手の手札の数字を推理するゲーム。「たぎる理論」のリメイク。
2017年、Ryohei Kurahashiの作品です。プレイ人数2人〜4人、公称プレイ時間15分です。
今回は2人で遊んだので、2人用のルールを説明します。
各プレイヤーに5枚の数字タイルを配ります。各プレイヤーは、それらを左から数字の小さい順に並べます。同数の赤と青がある場合、赤を左にします。対戦相手の5枚のタイルを当てるのがゲームの目的です。
場に6枚の質問カードを並べてゲームを開始します。
各プレイヤーは手番ごとに質問か宣言のいずれかを行います。
質問をする場合は、場の質問カードから1枚を選んで質問します。例えば、「1か2はどこにありますか?」「赤の数字の合計はいくつですか?」といった質問があります。質問された方は正直に答えます。質問を繰り返し、相手の手札を絞り込んでいきます。
手番の終了時、質問カードを場に補充して6枚にします。
相手の手札が分かったら、宣言を行います。
相手の手札5枚の色と数字を宣言し、当てたら勝利です。外した場合は相手の手番になります。
コンパクトにまとまった推理ゲームです。
質問カードがランダムで6枚の中から選ぶというのが効いていて、そこそこの運の要素を持ち込みつつ、自分が聞かれたくない質問を潰すといった駆け引きを可能にしています。
クロンダイクラッシュ
カナダ・クロンダイクの雪山に鉱山を作り、株で儲けたり産物を集めたり雪男を発見するゲームです。
2017年、ライアン・ラウカットの作品です。プレイ人数2〜5人、公称プレイ時間60分です。
時計回りの順に手番を行います。
手番になったら、まず競りに出すカードを公開します。手番プレイヤーから順に1巡の競りで落札者を決めます。
カードには4色あり、その色の株券が0〜2株と、カードによっては鉱山コマや受注カードが付いて来ます。
競りが終わった後、手番プレイヤーは手元の鉱山コマをお金を払って置くことができます。
鉱山を置く時は、既に置かれた同じ色の鉱山との位置関係によってかかる金額が変わり、遠いほどお金が掛かります。
鉱山コマを置く時、そこに置かれたチップを獲得します。チップには受注カードの条件を満たすとお金になる産物と、ゲーム終了時に最も多く集めたプレイヤーがお金を得るイエティがあります。
鉱山コマを置くたびに、その色の株価が上がります。
各プレイヤーは、ゲーム中1回だけ中間決算を行う事ができます。決算では、各色について株価×株数の金額を得ます。
全てのカードの競りが終わったら、全員が1回ずつ手番を行なってゲーム終了です。
全員が最終決算で株価×株数のお金を得ます。また、イエティチップが最も多いプレイヤーと達成した受注カードが多いプレイヤー上位2人がボーナスのお金を得ます。
最終的に最もお金の多いプレイヤーの勝利です。
渋くて苦しく、爽快感の無いゲームです。1金2金の損得勘定をしっかりやっていかないといけない厳しい競りの連続で、非常に疲れます。
株価の推移も地味で、一気に相手を出し抜けるポイントがありません。
残念ながら、苦しさが楽しさを上回るゲームのように感じてしまいました。
以上で10月6日のディアシュピールの報告を終わらせていただきます。