双六小僧の新・ボードゲーム放浪記

東京近辺のボードゲーム会を放浪するゲーマー双六小僧が、遊んだボードゲームや参加したボードゲーム会、ボードゲームカフェなどについてあれこれ書くブログです。

11/3大田非電脳系ゲーム倶楽部

エッセン帰還後初のゲーム会、大田非電脳系ゲーム倶楽部の報告です。今回は、エッセン帰還組の務めとして、エッセンで調達したゲームをあれこれ立ててみんなに遊んでもらいました。

 

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マジェスティ 

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様々な職業の人を王国に呼び寄せ、お金を集めるゲーム。今年のエッセンの新作。

2017年、マーク・アンドレの作品。プレイ人数2人から4人、対象年齢7歳以上、公称プレイ時間20〜40分です。

 

場に常時6枚の人物カードが並んでおり、手番ごとにそのうち1枚を取って王国に加え、収入その他の効果を得ます。列の奥にあるカードを取るには手前のカードにミープルを置かねばならず、置いたミープルはそのカードを取ったプレイヤーが獲得します。

兵士を取ると攻撃が発生し、その王国の兵士数と同数以上の見張りを置いていない他のプレイヤーは王国の人物1人を病院送りにします。

全員が12枚カードを取ったらゲーム終了。ゲーム終了時、病院にいる人物分の減点と、種類数ボーナスと職業ごとの最多ボーナスを計算し、最もお金を稼いだプレイヤーの勝利です。

 

建物カードにはA面とB面があり、説明書では初プレイは単純なA面から始めることを推奨していましたが、我々訓練されたゲーマーはいきなりB面スタートです。

今回は軍事大国化したプレイヤーが他の3人をねじ伏せて圧勝。B面の兵舎が強すぎる気もしますが、それ以上にそんな状況で兵士カードを独占させてしまった我々の落ち度です。これからプレイする皆さんは、兵士を独占させないよう警戒して下さい。

 

で、ゲームの感想。

一言で言うと、「宝石の煌き」の成功体験を引きずった作品です。プラスチック製のお金チップがそれを象徴しています。

単純なシステムと拡大再生産は、確かに多くのカジュアル層に受け入れられそうな雰囲気を持っています。ただ、「宝石の煌き」以上に単純で、深みがなく、訓練されたゲーマーには物足りないのも事実です。普段ゲームをやらない人を誘うのには使えそうですが、それ以上のものではない、と言うのが私の感想です。

 

The Sanctuary

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希少動物の保護区を運営し、土地の環境を整えたり、動物を増やしつつその幸福度を上げたりして得点を稼ぐゲーム。

2017年、Przemek Wojtkowiakの作品です。プレイ人数2人から4人、対象年齢10歳から、公称プレイ時間30〜60分です。

 

このゲームはワーカープレイスメントです。毎ラウンド開始時、場にアクションカードが1列に並べられます。そこに各プレイヤーは2個のワーカーコマを置きます。1個目はスタートプレイヤーから時計回りの順に、2個目は逆の順に置きます。

特徴的なのはサイドアクションと視線の概念。各カードにはメインアクションとサイドアクションがあり、各ワーカーはそのコマが置かれたカードのメインアクションと、そのコマの視線の届くの範囲内にあるサイドアクションを実行できます。視線は他のコマやカードに描かれた垣根によって遮られます。コマが置かれたカードのサイドアクションには視線は届きません。

 

アクションによっては脅威トークンを受け取るものもあり、これはゲーム終了時に減点になります。脅威トークンを減らす方法もいくつか用意されています。

 

規定ラウンドが終わるとゲーム終了です。土地の得点(購入、木、池)、動物の得点(各色ごとの動物の数×幸福度)、進歩タイルの得点、残った資源、脅威トークンによる減点を合計し、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

 

事前の情報収集では全く気付かず、エッセン最終日に一目惚れして勢いで購入した作品でしたが、とりあえず買った甲斐はあったと思います。アイコンが複雑で情報量が多く、長考が起こりがちなのが玉に瑕ですが、やり尽くされたと思っていたワーカープレイスメントに新たなひねりを加えた点は高く評価できます。アートワークも丁寧に作られており、好感が持てます。今後日本での取り扱いがあるかどうかは分かりませんが、テンデイズゲームズあたりに期待します。

 

狂気山脈

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ラヴクラフトの小説を元にした、全プレイヤーで協力して南極を探検するゲーム。ただし、ゲーム進行と共にプレイヤーは狂気に冒されていき、言動が変になっていきます。

 

2017年、ロブ・ダヴィオーの作品です。プレイ人数3〜5人、対象年齢12歳以上、公称プレイ時間60〜90分です。

 

毎ラウンド、チームリーダーが行き先を指定し、そのエリアの課題に挑戦します。課題を解決するには、時間内に各プレイヤーが手札からカードを裏向きで出し、指定された種類について、その数値の合計が指定された数値になるようにする必要があります。

普通に落ち着いて話し合えれば難しくないと感じるかも知れませんが、このゲームには狂気カードがあります。狂気カードを受け取ったプレイヤーは、そのカードの指示に従い、色々と行動に制約を受けます。狂気カードは、課題に失敗した時や特定の遺物カードを手に入れた時に受け取ります。

無事に脱出し、負傷カードの数以上の遺物カードを手にしていればゲームに勝利します。脱出時に遺物カードより負傷カードが多い場合、または途中で探検続行不可能になった場合は負けになります。

 

今回は3人で遊んだのですが、3人だと最初に狂気カードが配られないため、今ひとつ盛り上がりに欠ける展開になりました。最初に狂気カードが配られる4人以上で遊んでから正式に評価したいと思います。

 

狂気山脈 日本語版

狂気山脈 日本語版

 

 

イモータルズ 

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転生を繰り返して光の国と闇の国を行き来する軍団を率いて陣取りをするゲーム。「ヴァレンシュタイン」「将軍」でおなじみの、キューブが途中で引っかかったり引っかからなかったりするタワーを使います。

2017年、マーク・エリオットとディルク・ヘンの作品です。プレイ人数3〜5人、対象年齢14歳から、公称プレイ時間120〜150分です。

 

各プレイヤーは、光の国で戦う光の種族と、闇の国で戦う闇の種族の2つを受け持ちます。支配領土を決め、対応する地区カードや紛争カードをもらってゲームを開始します。

 

毎ラウンド、各プレイヤーは個人ボードのアクションスペースにカードを裏向きで配置し、手番ごとに1枚ずつ公開してアクションを行います。

 

戦闘は、キューブが途中で引っかかることのあるタワーにキューブを投げ込んで行います。より多くのキューブが出て来た方が勝ちます。このタワーによって、折角投入したキューブが出て来なかったり、忘れた頃に出て来たりといった不確実性が生じます。

戦闘で死んだキューブは、戦闘が起こった国と逆側の辺獄に置かれ、今度はそちら側の国に再配置されます。これによって、光の国と闇の国の間でキューブが循環します。

 

ラウンド終了時、所有する地区と建築物によって得点を得ます。なお、建築物を建てた時点でも得点が発生します。

規定ラウンド終了時、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

 

今回持ち込んだ中で最も重い作品です。プレイ感でも物理的重量でも。多分エッセンでこれを買わなかったら、他の並みの大箱ゲームが2〜3箱買えました。でも後悔はしていません。

 

やる事は陣取りなので、ひたすら殴り合い。最初の1ラウンドは皆空白地を埋めて行くので比較的平和なのですが、あとは戦争の嵐。弱そうな相手を殴り、地方統一の邪魔になるプレイヤーを殴り、 トッププレイヤーを殴り、と、始終戦闘ばかりです。なんとも疲れるゲームです。

ヴァレンシュタイン」から受け継いだタワーの仕掛けは素晴らしく、タワーにキューブを投げ込む行為そのものが楽しくて仕方ありません。

イモータルズ」で加わった、光の国と闇の国を行き来する設定も、どちらの国で戦うかという判断要素を付け加えており、いい味付けだと思います。

 

 

楽しいゲームではありますが、やはり疲れます。プレイ時間の面でも、精神面でも、あと運搬でも。いずれ「ヴァレンシュタイン」や「将軍」も遊んで比較してみたいです。

 

この後もう一度「The Sanctuary」を遊んで終了。2回目は長考防止のためにタイマーを導入しました。

 

以上で11月3日の大田非電脳系ゲーム倶楽部の報告を終わります。