双六小僧の新・ボードゲーム放浪記

東京近辺のボードゲーム会を放浪するゲーマー双六小僧が、遊んだボードゲームや参加したボードゲーム会、ボードゲームカフェなどについてあれこれ書くブログです。

HLKT工房第3回インタビュー文字起こし(2024年1月収録)

ドキュメンタリー「ボードゲームデザイナーズ」のために2024年1月に収録したHLKT工房への第3回インタビューの文字起こしを公開します。

 

 

 

ゲームマーケット2023秋

- ゲームマーケットお疲れさまでした。
早速ですが、ゲームマーケット2023秋で出した「クソゲーRTA」の紹介をお願いします。

天空:「クソゲーRTA」ですね。

プレイヤーはクソゲー「クリムゾンソードザゲーム」っていうゲーム内ゲームのリアルタイムアタック、早解き競争をするプレイヤーになってもらって、ゲーム内時間でより早くそのゲームをクリアしようという、構造が何重かになってて分かりづらいんですけど、そういう感じのゲームです。

 

- ゲームが今の形になるまでの調整の過程でどんな苦労がありましたか?

天空:一番大きかったのは、コンセプトがプレイヤーがデジタルゲームのバグを使ってうまくクリアタイムを短くしようっていうところで、そのバグの表現がとても難しくて、バグっぽい動きというか効果のカードを作るってなると、普通にゲームとして破綻しちゃうことが往々にしてあったので、そこの調整とかがすごい大変でしたね。
あとは資源に関してもあんまり多すぎると破綻ポイントが増えていっちゃうので、なるべく資源的には小さく小さくっていうのを意識して作りました。

 

- 今回のゲームの宣伝はどんな風にしましたか?

天空:メインは都内での試遊体験会を行って、それの様子とかをXに流してもらうっていうところが多かったかなとは思います。
あとはうちならではかもしれないですけど、丁合風景だったりとか、あと制作風景をちょこちょこ出せる範囲でXに流したりだとか、あときたこしさんだったりとか、ゲームマーケットの情報を集めて配信してくれてる方とかに依頼したりとかして、そこで情報出してもらうとかっていうところが主だったかなと思います。

 

- ブースで流していた動画は誰が作ったんですか?

天空:あれは自分というよりは、「クソゲーRTA」の中の素材の一つとして、あのすごい雑なポリゴンの3Dをちょっと依頼しまして、灰色うさぎさんっていうVTuberの方にお願いしたんですけども、彼女が3Dポリゴン、「これ実は動かせるんですよ」みたいなちょっと凝った作りをしてもらいまして、で、「ついでだからその3Dポリゴンを使ってちょっと動画を作ってみたいけど、これどう?」っていうので、まあほぼほぼ自分が関与しないところでご厚意で作ってもらったものになります。
で、せっかく作ってもらったんで、ゲームマーケットの当日、ちょっとブースで流そうかっていうので、ブースで流させてもらいました。

 

- その動画はどこかの動画配信サイトで見られますか?

天空:上げてない気はしますね。ちょっとXで流したりとかをしようかなとは思うので、ちょっと考えときます。

 

- 「クソゲーRTA」ではエラッタがあり、修正カードを封入して対応していましたが、ミスに気付いてから修正カードを封入するまでの流れを教えてください。

天空:結構HLKT工房だと毎回なんですけど、結構ギリギリまで作業してて、その作業中だったりとか、あと丁合作業を手伝ってもらった友人とかに見てもらったりとかしながら見つかることはあるんですけども、説明書の文言とかでしたら、その場でって言うとあれなんですけど、修正箇所を記載して家のプリンターで刷って切って貼ってをするっていう感じですね。
で、今回もう一つ、カードの封入ミスがあったので、そこに関しても、自分の家で丁合はしているので、まだ丁合してないところからカードを持ってきて付けて当日販売したっていうような感じで、ゲームができないっていうことにはならないように努力しました。

 

- 自宅で丁合したから対応できたと。

天空:多分他のところで依頼してるとどうしてもタイムラグは出ちゃうので間に合わなくなっちゃうかなっていうことで、不幸中の幸いなのかわかんないですけど、そんな感じでしたね。

 

- 今回ゲームマーケットの会場での展示物として、動画以外には何を作りましたか?

天空:動画のほかは、一応受注生産ということでアクリルスタンドを、イラストを描いてくださった六月しぐれ先生がすごいきれいなイラストを描いてくださっているので、前回の「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」のときも作ってたんですけど、アクリルスタンドを作りまして、それの展示だったりとか、あとは「クソゲーRTA」のパッケージがそもそもプレステ2のような感じのパッケージになってるので、あの当時の、当時のっていうとあれですけど、ゲームショップの棚っぽい感じをイメージして並べてみたりとかっていうところをちょっと気にしてにして配置しました。

 

- ゲームマーケットでの新作の反響はいかがでしたでしょうか?

天空:Xとかでエゴサをさせていただいたりしてる中で、まあ予想通りというとちょっとアレですけど、すごいクソゲー感を楽しんでもらってるかなっていうので、結構個人的にはゲーム配信だったりとか、RTA配信を結構楽しんでいて、あるあるだなって思う要素を結構詰め込めたかなとは思ってて、それに気づいてくださってくれる方とかも結構いたので、友達と話してるぐらいの感覚でニヤニヤしながらツイートを見たりしてます。

 

フォアシュピール

- 2023年秋に再開したフォアシュピールに参加したときの話をお願いします。まずは参加を申し込んだ経緯から。

天空:元々2019年にフォアシュピールは開催されてまして、その時から参加させていただいていて、即売会ではないんですけども、すごい熱量の高いイベントなのは認識していまして、今回コロナ明けて久々に再開っていうことで、ぜひ参加したいっていうところで申し込みせていただきました。

 

- 突然の募集でしたが、驚きませんでしたか?

天空:一応運営スタッフの方とかで知り合いはいるんですけど、その方とかと話した時も、ちょっと前まで決まってなくて、急に決まったよみたいなことは教えてもらってたので、自分もあのXの告知を見て知った口なんで、すごい急でびっくりはしてましたね。

 

- 当日の会場の様子はどうでしたか?

天空:自分実は遅刻してるんで入場がごたついてた話は聞いてるんですけど、様子は見てないんですよ。
けど、それ以外は、開催期間中というイベントの時間中は、スタッフの方が空いた席を見つけたらすぐ「ここ空いてます」っていうのを声掛けしてくださったりしてて、出展者というか、ゲームのインスト側がそこを骨を折らなくていいのはすごいいいイベントだなと思いました。

 

- 色のついた札での誘導も印象的でした。

天空:そうですね、一部上手く動いてなかったらしいんですけど、それでもなるべく出展者というか参加者がインストに集中できるような環境作りというのを考えられているなっていうのは参加してすごい感じました。

 

- 他のサークルと合同で出展していましたね。

天空:そうですね。BBBoxさんと出展ということで、以前お話しした天岩庵アライアンス内であぶれちゃった人がいて、どこかその中で優先的にじゃないですけど、マッチングできないかっていう話は天岩庵アライアンス内であって、その中でマッチングした感じですね。

 

「オフトゥンからの脱出」クラウドファンディング

- 11月に「オフトゥンからの脱出」のリメイクのクラウドファンディングをボドファンで始めましたが、その話をお願いします。

天空:元々何かしらのクラウドファンディングのサービスを利用してみたいなっていうのはあったんですけども、ちょうどボドファンのサイト自体がオープンするのに合わせてどうですかっていうのを、中の人からお声がけ頂きまして、じゃあちょっとどのタイミングで作るか悩んでた「オフトゥンからの脱出」のリメイクの企画化があるから、それをやろうかっていうので、ー乗ってみたっていう感じです。

 

- 「オフトゥンからの脱出」はどんなゲームですか?

天空:「オフトゥンからの脱出」というゲームは、プレイヤーは大学生になってなるべく頑張って授業に出ようっていうのがコンセプトなんですけども、毎回出てくる授業を見てどのタイミングで起きるかっていうのを考える、体力を使った競りのゲームのイメージでとらえていただければなとは思いますが、そういう感じのゲームになってます。

 

- 旧版からの変更点は?

天空:旧版ですと、今2つ拡張が出ている状態になってまして、クラファンではその拡張が全部含まれている形プラスアルファで追加のカードをいくつか入れたりですとか、あと対応人数が今まで6人までだったのを7人に拡張するような形で、まあプレイ人数も増やすよっていうところで、新しいバージョンとして生まれ変わっています。

 

- アクリルスタンドの特典はどのように決めましたか?

天空:元々、「オフトゥンからの脱出」が拡張を全部入れても2,000円ぐらいの小箱型なので、どうしても単価としては上げられない、そこから新しいバージョンだから5,000円でとかっていうのはできないよね、っていう話はHLKT工房内でしまして、なので、じゃあちょっと遊べるコンポーネントとして面白いものないかなっていうのを考えた時に、「らくらく冒険者の幸せ異世界ライフ」とかでアクリルスタンドを作っていただいているところと相談して、こういう感じで「オフトゥンからの脱出」で使えるアクリルスタンドを作れないっていう相談をさせていただいたのがスタートですね。

で、結構早目に「あー、それなら行けますよ」みたいな返事をいただいたので、まあそれをリワードとして入れようっていうのが決まりました。

 

- クラウドファンディングの宣伝のためにしたことは?

天空:こちらもゲームマーケットの宣伝とそんなに大きくは変わんないかなとは思うんですけど、基本的にはX上でポストするというので、今回はゲームマーケットが近かったこともあって、HLKT工房のサークルでゲームマーケットのポストと「オフトゥンからの脱出」のポストをやっちゃうと結構混乱しちゃうかなっていうところもあったので、実験も兼ねてなんですけど、新しく「オフトゥンからの脱出」用でアカウントを作って、そこでポストするっていう試みをしてみました。
またフォロワーも少ない状態のアカウントなので、なるべくというか、毎日期間中は日付変わったくらいにポストするようにっていうのを意識して行ってました。

 

あともう一つとしては、さっきの話とかぶっちゃうんですけど、事前の試遊会で、これはちょうどボドファンのサイトオープンの時にプロジェクトを開始した96組さんですとか、あと架神恭介ワークスさんのと合同で体験会を開催したりとかっていうような広報活動をさせていただきました。

 

- ボドファンのサービスを使ってみた感想は?

天空:一つはボドファンさんが出してる登録者人数に対してのキック率、まあもうプロジェクトの応援・支援率というのがすごい高いなっていうのは感じてまして、それは他のクラファンサービスだと他のもの目的のお客さんが入ってるので、それがない分というのはもちろんあるんですけども、熱量の高いサービスかなとは思ってます。
ただ、決済周りだったりとか、あとボドゲーマさんのアカウントじゃないアカウントを新たに作らなきゃいけないとかというあたりでちょっと使いづらいなという点も見えたので、今後の改善に期待してます。

 

- 「オフトゥンからの脱出」のプロジェクトに対する反響はどうでしたか?

天空:本当にありがたいことに120%でプロジェクトを達成させていただきまして、前の旧版の時から応援してくださってる方とかもX上で「待ってました」とかエールをいただいていてすごいありがたいなという感じで、一緒に走れて良かったなと思ってます。

 

HLKT工房が目指すもの

- HLKT工房が今後やっていきたいことは何ですか?

天空:結構やりたいこと、作りたいゲームっていうのはいっぱいあるので、まあ粛々とと言うとあれですけど、まあいろいろな感じで作っていけたらなとは思ってます。
その中で最近チャック横丁だったりとか、あまり外見も豪華にしすぎない感じの、ゲームシステムとして面白いかどうかっていうのを問えるような環境がちょっとずつできてるかなっていうのがあるので、まあもちろん今まで通り、例えば六月先生の綺麗なイラストだったりとかっていうのももちろん、ボードゲームの体験の一つに含まれるかなと思うのでそっちをやりつつも、システムだけで勝負できる場とかにも参加できるようならしていきたいなっていうのを考えてます。

 

ボードゲームへの想い

- 天空さんのボードゲームに対する想いを語っていただけますでしょうか?

天空:もともとボードゲームを始めたきっかけが、どちらかというとTRPGのサークルに参加したいっていうところからだったので、もう10数年以上前なので最近とは言い難いんですけど、そこからボードゲームにのめり込んでいって、「もっと面白いもの作れないかな」っていうところとか、「こうしたら面白いかな」っていうのが自分なりに見えてきたので、作ってるっていうところはあるんですけども、その中でもちろん思ったものが作れなかったりとか、もっと面白くできるのになっていうのは日々反省点が出てくるので、それが出てくる限りは続けたいなっていうところはすごく思ってます。
また、あのその中でいろんな方と出会えて仲良くさせていただいているので、そういう方々と今後も楽しく遊べていけたらなっていうところを考えております。

 

ボードゲームデザイナーを目指す人へ

- 最後に、ボードゲームデザイナーを目指す方へのメッセージをお願いします。

天空:そうですね、X上でで「作ってみたいんだけど」とかって言ってる方にもよく言うんですけど、「軽率に作りましょう」っていうことを言ってますね。
どうしてもボードゲームを作るって言うと、今ゲームマーケットを見ると、すごい豪華な箱を作ってちゃんとしたカードでっていうところが目標にはなるかなとは思うんですけども、必ずしもそこに一回で至る必要はないかなとは思っていて、すごい変な話、ハサミで切った上に手で描いたカードでもゲームはゲームなので、そこで楽しんでみるっていうステップを踏んでもいいのかなとは思っていて、それを一回作ってみて、周りの人に面白いか、楽しんでくれるかどうかっていうのを見てみるっていうのもすごい貴重な体験だろうなとは思うので、是非やってみてほしいなと思ってます。
こういうのって、考えてみたら作ってる側としては結構当たり前の作業なんですけど、作るまではそこって見えないなっていうのは、最近いろんな方と話すこともあって常々思ったので、ぜひ軽率に作って軽率で遊んでみてほしいなと思ってます。

 

- ありがとうございました。

 

 

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ドキュメンタリー「ボードゲームデザイナーズ」前後編はVimeo OTTで公開中です(有料)。

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前編の序盤の約10分をYouTubeで無料公開しています。

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特別編の「ボードゲームデザイナーを目指す人々への言葉」も公開しています。

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