11/3フォアシュピール2日目
11月2日に続き、3日もフォアシュピールに参加して来ました。
今回の会場は千駄ヶ谷。
ヒーロー・コロシアム
キャラクターごとのカードセットを使って行う手札公開じゃんけんゲーム。
ぼどっこの作品。
各プレイヤーはカードセットのうち3枚を選び、プレイ候補とします。その後、プレイ候補の中から1枚を選び、一斉に公開します。カードの数値が最大のプレイヤーと最小のプレイヤーがじゃんけんで対決し、勝者と「ぼうぎょ」を出したプレイヤー以外がダメージを受けます。カードを出したら、残りのカードから1枚をプレイ候補として補充します。
最後まで生き残ったプレイヤーの勝利です。
キャラクターごとに手を大胆に偏らせており、特色を強く打ち出しています。
ただ、プレイヤー人数が少ないと予定調和になりがちなので、多人数で遊ぶのが向いているようです。
ブルータス
駒をはさんで裏返すアブストラクトゲーム。
3周制作の作品。
プレイヤーは交互にブルータス駒を動かします。相手の駒を挟めば、その駒を裏返して自分の駒にすることができます。相手の王の隣にブルータスを進め、次の自分の手番が来るまでその状態を維持できれば勝利です。
最初の1枚が裏返るまではゲームが膠着しがちですが、1枚裏返ると一気に形勢が傾きます。アブストラクトとしてどの程度深みがあるかは要検証です。
さいころ館の鬼ごっこ 再
鬼、共犯者、人間に分かれて争う正体隠匿ゲーム。
楽々亭の作品。2015年作品のリメイク。
各プレイヤーはダイスを振り、その出目によって自分が訪れた部屋を決めます。
その後、鬼は襲撃もしくは自傷を行います。鬼は、自分が訪れた部屋のみを襲撃し、ダメージを与えます。自傷は、鬼自身を含む鬼陣営のプレイヤーにダメージを与えます。ダメージを受けたプレイヤーはダイスを減らし、ダイスを全て失ったプレイヤーは脱落します。
その後、プレイヤー間で議論を行い、誰を追放するかを選びます。追放者として選ばれたプレイヤーはダイスを失います。
人間を全て脱落させたら鬼と共犯者の勝ち、鬼を脱落させたら人間の勝ちです。
GM不要でほどよく推理の手がかりもあり、人狼をよく分かった上でその弱点を克服しようとしているのが良く伝わって来ます。
シャンパッパーティーナイト
リズムに乗ってホスト風の掛け声を掛けていくパーティーゲーム。
ジョイアブルの作品。
プレイヤーは1〜3枚のカードを出しながらリズムに乗ってカードに書かれた掛け声を掛けていきます。自分のカードを全て無くしたプレイヤーの勝ちです。
「ホストの世界はよう分からん」そんな感想を抱きました。
SCOUT!
場札からカードをスカウトして手札を強化し、強いカードを出してカードを出し切ることを目指すゲーム。
ワンモアゲーム!の作品。
このゲームのカードには2種類の数字が書かれており、カードの上下によって有効な数字が決まります。プレイヤーは手札の並び順や上下を入れ替えてはなりません。
プレイヤーは順番に前のプレイヤーより強いカードを出していきます。カード1枚よりカード2枚の順列、カード2枚の順列より同じ数字のカード2枚が強くなっています。複数のカードを出すときは隣接するものを出します。カードを出したら、前の人が出したカードを取り、得点カードとして手元に置きます。
前のプレイヤーのカードより強いカードが出せない、もしくは出したくない場合は場のカードを1枚スカウトします。スカウトしたカードは手札の好きな位置に好きな向きで加えます。この時、前のプレイヤーは得点チップを獲得します。
誰かがカードを出し切ったらラウンド終了となり、それまで取った得点と、手札に残ったカードの減点を計算してラウンドの得点を算出します。規定ラウンド終了時の得点合計で勝敗を決めます。
非常に洗練されたカードゲーム。1枚のカードが2つの数字を持つことで、スカウトが有効に働きます。お勧めです。
エジプトウォール
カードを並べてエジプトの壁画を作るゲーム。
ホタルシステムの作品。
場に得点カードと壁画カードが並んでおり、ここから壁画カードを取って壁画を作ります。
得点カードに書かれた条件は、人物の向きや目の数など様々です。
壁画カードを取る時は、対応する得点カードにキューブを置きます。これにより、その得点条件を満たした時の得点が変化します。また、この時に自分の色のキューブを置けば、そのプレイヤーだけその得点カードによる得点が倍増します。
カードを取った時、自分の手札のどこに入れるかを決めます。一度決めた位置を変更することはできません。
全プレイヤーが5枚のカードを獲得したら得点集計をしてラウンドを終了します。
2ラウンド目では、一定以上の得点を取ったプレイヤーは取ったカードを手札の両端にしか入れられなくなります。
2ラウンドの得点合計で勝敗を決めます。
カードの選択の際、壁画カードと得点カードの両方に配慮しなければならず、非常に考えさせられます。
なお、2ラウンド目の端にしかカードを入れられない制約は重いので、勝つためには1ラウンド目で大量得点を取るか、得点を一定以下に抑えるかのどちらかにする必要があります。この点には注意が必要です。
三匹のパレード
自分の前に犬や猫の3枚のカードを並べてパレードの得点を競うゲーム。
まんじ堂の作品。
プレイヤーはまず手札から1枚のカードをパレードに加えます。
その後、手番になったらパレードにカードを加えるか、審査員ルールを変更するかのいずれかを行います。
ルールには、列の前後どちらにカードを加えるか、最後尾を犬と猫どちらにするか、数値の高い方が勝つか低い方が勝つかといった3分野があります。同じ分野のルールがすでに出ている場合は、その分野では前のカードより大きいか同じ数字のカードを使わなければルール変更ができません。誰かが3枚のパレードを完成させたら、それ以上ルールを変更することはできません。
全員がパレードを作ったら、3枚のカードで3桁の数値を作ります。最後尾のルールで失格したプレイヤー以外の全員で値を比べ、勝敗ルールに従って最大値もしくは最小値のプレイヤーが勝利します。上位プレイヤーはカードを引き、それが得点になります。
規定ラウンド終了時に得点カードの数値の合計で勝敗を決めます。
ルール変更に振り回されながら楽しむカードゲーム。ままならなさの加減がちょうどいい印象です。
カリフ
イスラームの指導者カリフを目指す双六ゲーム。
ウニゲームズの作品。
イスラーム法学者の中田孝氏が監修。
プレイヤーはダイスを振って駒を進め、たどり着いたカードにあるイベントを解決しながら徳と名声を高めていきます。
このゲームでは、イスラームの考え方に基づいて問題に回答する「イジュティハード」を行います。この問いに適切に答え、他プレイヤーの指示を得られればそのカードを獲得できます。それぞれの質問には中田孝氏の解説が付属しています。
イスラームの考えに触れるツールとしての側面が強いゲームです。
しずおか冨嶽六景
6種の富士山の絵を使った記憶ゲーム。
TUKAPONがゲームデザインを、久遠堂がアートワークを担当した作品。
手番になったらプレイヤーは山札の1番上のカードを公開し、いずれかのプレイヤーの前に裏向きで置きます。
ゲーム終了時、それぞれの絵柄について、奇数枚なら枚数分の得点、偶数枚なら枚数分の失点になります。
この上なく簡単なルールで楽しませる、非常に洗練されたゲームです。
静岡のご当地グッズとしての価値も期待できそうです。
マヤる!
カードを配置してマヤの都市を作るゲーム。
植民地戦争+αの作品。
全プレイヤーは同時に手番を行います。
各プレイヤーはそれぞれの山札を持ちます。
毎ラウンド、プレイヤーは2枚のカードを引き、1枚を自分の前に置き、もう1枚を他プレイヤーの山札の上に置きます。他のプレイヤー全員の山札の上に既にカードが置かれている場合に限り、自分の山札の上に置きます。
カードを置く時は、最低1箇所は他のカードと重なる必要があります。また、重なる部分の地形は同じである必要があります。
都市を作るには、神殿、住居、泉を森で囲む必要があります。都市を完成させると、ボーナスとしてカードを1枚追加で配置できます。
神殿は都市内の隣接する数に応じて得点になります。住居は都市内の数に応じて得点になります。泉はいくつあっても3点です。
山札がなくなったら最終ラウンドを行いゲーム終了です。都市の得点以外に、極楽鳥の数と使わなかったカードに応じた得点を集計し、勝敗を決めます。
難易度高めのパズルゲーム。計画性を持ち、いろいろな状況に対応できるようにカードを置かないと、なかなか都市を完成させられません。それだけに、うまく行った時には大きな爽快感が味わえます。
以上で2日間にわたるフォアシュピールの報告を終わらせていただきますが、これだけ遊んでもまだゲームマーケット作品の網羅には程遠く、気が遠くなりそうです。